jcss校正とは わかりやすく解説します

あらゆる測定器には誤差が付き物であり、測定器の誤差は標準器によって校正されなければなりません。標準器にも誤差があるため、より正確な標準器で校正する必要があります。こうして標準器を遡っていくと、最終的には最も正確な国家標準器にたどり着きます。そこまでの経路が確認できる状態を、測定器がトレーサブルであると呼びます。トレーサビリティが確保されていれば、どの程度の不確かさがあるか明確になります。jcss校正は測定器のトレーサビリティを確保するため、経済産業省および製品評価技術基盤機構によって定められた制度です。所定の事業者にjcss校正を受けて、jcssの標章がついた校正証明書を発行された標準器は、国家計量標準にトレーサブルであることが証明されます。

トレーサビリティの確保で得られるメリット

測定器の不確かさを把握することは、品質管理において欠かせない役割を果たします。jcss校正は対内的な標準になるだけでなく、対外的な信頼を獲得するにも便利なツールです。また環境マネジメントシステムや食品安全マネジメントシステムをはじめ、各種ISOの認証を受けるためには、トレーサブルな測定機器を使用することが条件になっています。jcss校正の証明がある測定器であれば、この基準をクリアすることができます。jcss校正以外にも校正の方法はいろいろありますが、行政機関の認定を受けられるのはjcss校正だけです。jcss校正は国際的にも認められた校正であり、相互承認に署名した国なら、校正を受けた製品を輸出する場合、校正証明書をそのまま利用することができます。

校正証明書の活用と取得する方法

jcss校正には長さや質量や時間など、全部で24の区分があります。jcss校正サービスを事業として提供できるのは、認可を受けた登録事業者だけです。登録事業者は第三者にも通用する校正証明書を発行し、トレーサビリティを保証します。すでにjcss校正を受けた標準器があれば、それを用いて自分で校正を行ない、トレーサビリティを確保することもできます。計量機器のトレーサビリティは他にも、道路運送車両法や高圧ガス取締法などで要求されていますし、食品や医薬品などの製造業務においても義務付けられている場合があります。なお地方自治体の計量検定所が実施している計量検定は、jcss校正とは別物であり、一方で合格しても他方で合格したことにはならないため注意が必要です。