jcss校正とは 要点をわかりやすく解説しました

jcss校正は2本の柱からなる制度を利用しています。ひとつは国内の計量法で規定された校正の基準へのトレーサビリティの確保です。もうひとつは、校正の技能について国際規格への適合性を確認された事業所の登録制度です。jcss校正証明書を活用することで国家的な標準によって校正された経緯を確認することができます。また国際的な展開を考えている企業にとっては、世界に通じる校正証明書になります。国際的な機関との相互承認制度によって、jcss校正を行なっているものについては各国の規定されている校正を行なったこととみなしてくれると言うものです。これによって無駄な時間も費用もかけることなく国際的な取引を行うことができます。グローバルな商取引を行う上で、大変有効な制度と言えます。

トレーサビリティがある校正証明書

jcss校正の特徴のひとつにトレーサビリティがあります。校正事業者は24区分のjcss校正について登録を申請することができます。具体的には、長さや質量、時間、硬さ、温度などに分かれています。それぞれの登録区分は、産業技術総合研究所が保有する特定標準器、登録事業者が持つ特定二次標準器などがjcss校正証明書によって確認できるようになっています。ユーザーから校正を受け付けた校正事業者はその特定二次標準器やそれによって校正された常用参照標準を用います。結果として発行される証明書にはjcss校正としてのマークはついています。このようにユーザーが持っている測定器、その参照となった常用参照標準、特定二次標準器、特定標準器のそれぞれに校正証明書があり、校正の履歴を遡ることができます。

事業者技能の国際規格への適合性

jcss校正ができる事業者は登録されていなければいけません。登録のためには、国際規格であるISOまたはIEC17025に規定された技能に関する一般要求事項に適合している必要があります。国際規格への適合性を審査されて、結果として登録されることで校正事業者の技能が世界的に通用するレベルであることになります。そのような技能を持っている事業者で行われる校正によって発行されたjcss校正証明書も世界的に通じることになります。自社の製品を海外に展開したいと考えるときに、それぞれの国に規定された規制を満たす必要があります。そのときにjcss校正の証明書があればその国で試験をやり直さなくても信頼されることになります。これは無駄な費用をかけなくても良い画期的な制度です。